こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 

安倍元首相の暗殺以降、某宗教団体の霊感商法が取り沙汰されています。某宗教団体の前身となる団体の霊感商法と戦ってきた弁護団もいます。しかし、これまで、国会は何もしてこなかったのかといえば、そのようなことはありません。

実は、平成30年(2018年)の消費者契約法改正により「霊感」という文言が規定され、法律用語となっています。当時国会議員であった方は、ご自身の仕事を忘れておられるようです。

某宗教団体に限らず、現在、コロナ禍に乗じて、霊感商法の被害者が再び増加傾向にあるようです。

そこで今回は、霊感商法に騙されてしまった時の対処法やそもそも騙されないためのポイントについて解説していきます。

 

●霊感商法とは

 

霊感商法について、消費者契約法4条3項6号には「消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること」と規定されています。

ここで「霊感」とは、除霊、災いの除去や運勢の改善など、超自然的な現象を実現する能力を指し、「その他の合理的に実証することが困難な特別な能力」としては、いわゆる超能力が当たります。

簡単に言えば霊感商法とは、「単なるつぼや印鑑・置き物などに、あたかも超自然的な霊力があるように、言葉たくみに思わせて、不当に高い値段で売り込む商法」のことをいいます。

 

【具体例】

・水子の霊を供養しなければならないなどといって消費者の心理を突き、加持祈祷の費用などをだまし取った。

・自分の家系や配偶者の家系を救うことがあなたの使命であり、献金することによってあなたも家族も家系も救われるなどと言って自分や家族の金を拠出するように指示し、家族の財産を家族に内緒で、献金という名目で交付させた。

・コロナ禍の健康不安に付け込んで、このお札を買わなければあなたもコロナに感染しますよと言ってお札を購入させた。

 

●騙されて買ってしまった場合はどうするの?

 

では霊感商法に騙されて、商品を購入してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。

以下では、騙されて購入してしまった商品の代金を返金してもらうための方法を紹介します。

 

①クーリング・オフ

霊感商法によって契約を締結してしまった後でも、その契約を解約することができる制度を「クーリング・オフ」といいます。

ただし、クーリング・オフには期間制限があり、契約書面を受け取った日から8日以内に手続きをする必要があるので注意が必要です。

騙されたと思ったら、必ず期間内に手続するようにしましょう。

また、期間内であっても、クーリング・オフができない場合もあります。

 

②消費者契約法に基づく取消し(4条3項6号)

平成30年に改正された消費者契約法4条3項柱書には

 

「消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。」

 

と規定されており、同6号で

 

「当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。」

 

と規定されています。

 

これにより、霊感などの実証困難な能力を使って、消費者の不安をあおり、その不安を解消・回避できる旨伝えて契約を締結した場合には、消費者契約法4条3項6号によりその契約を取り消すことができるようになりました。

 

●騙されたと思ったらまず相談を

 

前述したような方法によって返金を求めることができると分かっても、なかなか自分一人ではどうすればいいのか分からないですよね。

そんな時は、一人で悩まずに、まず、以下の機関に相談してみましょう。

 

①消費者ホットライン

消費者ホットラインは、「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として開設されたものです。

消費者ホットライン『局番なしの188』に架ければ、お近くの消費生活相談窓口を案内してくれます。

 

②警察署または弁護士

霊感商法は、事例によっては詐欺罪や恐喝罪にも該当することがあります。霊感商法の手口が悪質だった場合には、警察や弁護士に相談してみるのも、有効な手段の一つです。